猫のこと。
再び、東京から沖縄へ。
「わー!」「きゃー!」「うぉー!」
毎度おなじみ、離陸時の大歓声・拍手喝采。
この時期、7割程の確率で、修学旅行の学生さんと同じ便に乗り合わせる。
今回も然り。あぁ、初々しい。
私が、そういう星の下に生まれてきたのであろうか、
昔から、小さいお子さん連れのご家族、または、母子お二人と隣席になることが多い。
「子供は泣くのが仕事、文句を言うのは筋違い」
「ギャーギャー喚く、子供を飛行機に乗せるな」
心が狭いだの、広いだの、大人げないなど、
飛行機の子供ネタになると、だいたい、そんな論争になりがちだが、
正直、私は、どっち派でもない。
「いぇーい、貴重な睡眠タイム!」
でもなければ、
「さぁ、雲と空と夕陽の撮影タイム!」
でもなく、
着席と同時に、予め、機内でやるべし!
と、決めてきたタスクをこなすための“作業モード” に集中してしまうからである。
そして、泣く泣かない以前に、ほとんどの場合、フライト中、なぜか私は、
じっーーーーーーと、子供に観られてる。
時には、前列シートの隙間から、
時には、通路を挟んで、隣の席から、
時には、後方座席の上部から、
「へぇ、世の中に、こんなオッサンがいるんだ」
と、言わんばかりの、何とも言えない表情で、
ひたすら、じっーーーーーーーーと、
眺められているのである。
いつも視線を感じ、顔を向けると、可愛らしい子供の顔が、目が。
たまに、手なんかも伸びてきて、さすがにこれには、ついつい、ニヤニヤしてしまう。
この『機内子供視線釘付け事案』と、似たようなケースで、街を歩くと、
犬猫の視線を、わりと引き寄せている気がしている。
沖縄は、町中に、猫(野良を含む)が溢れているのだが、
なぜが、私に、猫が寄ってくる。
ベンチに座って、スマホをいじっていたり、人待ちしている時に、
「まいど、お待たせ!」と言わんばかりに、ひょっこりと、膝の上に乗ってくる。
私がダイバーということもあり、魚類の香りでも漂っているのだろうか?
(ここ最近、潜ってないけど)
もしかして、ケツに、グルクン(タカサゴ)でも挟まっているのではないか?
と、思わず確認してしまうほどである。
先日も、犬猫を飼われている友人宅にお邪魔した際、
『家政婦は見た ©テレビ朝日』
by 市原悦子バリの熱い視線を感じ、振り返ると、
友人夫妻の愛猫とバッチリ目があって、たまらず爆笑してしまった。
ちなみに、私は、自宅で動物は何も飼っていない。
残念ながら、飼育放棄による、捨て犬・捨て猫、
迷子、放し飼いなどの理由により、沖縄県では毎年、約5,000頭の犬猫が殺処分されているそう。
2005年度、2009年度は、全国最高頭数。
2011年度は、6,262匹と全国ワースト4位。
(08年度〜13年度の5年間で48%まで減少)
『殺処分』って言葉自体が、何だか、酷い、悲しい響きだなと。
「◯日に、有給いただきます。猫の面接のため」
というおかしな話を聞いた。
「ん??猫の面接??」
てっきり、私の聞き間違いかと思い、後日、詳細を聞いてみると、
動物可の賃貸物件へ引越しする際、本人ではなく、
『動物と大家さんの面接が必須』という、マンションだったらしい。
大家さんは、動物と会話できる!?そうで、
猫と1対1での面接。
同席はしたものの、あくまでも、保護者として参加。
終始無言で終了。
「うちのマンションの方針に、合っている」
ということで、見事、合格。
無事に、入居可となったそう。
(以前の)自宅前に捨てられていた子猫を拾ったが、
動物不可の物件だったので、引っ越しを決意。
不動産屋を駆けずり回って見つけた場所がそこだった。
「たぶん、そのへんをアピールしてくれたんだと」
「猫語は、喋れませんが、そんな気が(笑)」
そう笑いながら話す。
何だか気持ちが、ホッコリした。
沖縄も、こんな人が増えれば良いな。
その大家さんに逢いに行ってみたい、と思った。